なんとかしたい!先延ばし

経費の精算や報告書の作成、資格試験の勉強など、「まとまった時間ができたら取り掛かろう」と思ったまま、手つかずになっていることはありませんか? 早くやった方が楽なのに、ついつい後回しにしてしまう… 早く仕上げないと上司に注意されるのに、なかなか取り掛かれない… 自分でも「よくない」と感じながらもつい後回しにしてしまう“先延ばし”。誰しも経験したことがあるでしょう。
先延ばしの心理的原因
先延ばしの最中は、気持ちもなんだか落ち着かないもの。だからと言って、なかなか取り掛かれないのが特徴です。 「頭ではわかっているのに後回しにするなんて、自分はなんて怠け者なんだろう」と思うかもしれません。しかし、先延ばしの原因は怠けではありません。そこには様々な要因が関係しています。
- 失敗への不安や恐怖 が一歩踏み出すことを躊躇させている。
- 完璧主義 がゆえ、完遂できる確信が持てないと取り掛かることが出来ない。
- 決断疲れ で優先順位をつけることが億劫になっている。
- 短期的快楽 の優先で面倒な仕事を回避している。
- 環境 の影響で集中が妨げられている。
すぐに使える!先延ばし対策
先延ばしをやめるには、どんなことに気を付ければいいのでしょうか。 「すぐに取り掛かれない自分は、ダメな人間だと」自分を責めることは、余計にやる気が低下してしまい悪循環です。最初から「大きな目標」を目指すのもよくありません。それよりも、些細なことでもいいので「何かにとりかかり、やる気スイッチをオンにする」方が効果的。「頑張れば、これくらいできそうだ」と思えるものを、それに見合った時間も入れて具体的に決めましょう。

2分ルール
2分で終わることは即実行する。

タスク分解
大きな仕事は10〜20分で終わる小タスクに分ける。

締切を前倒しする
自分ルールで本番の2日前を締切に設定する。

集中時間確保
カレンダーに作業集中時間(20-50分程度)を入れ、 その間はメールやスマホの通知も一切オフにする。

「まず着手」習慣
完璧でなくてもまず1行書く。ほんの少しでいいので手をつける。

可視化と公開宣言
進捗をチームに共有してコミットメントを作る。
まずは目の前のものを少しでも
私たちは日々多くの情報にさらされ、絶え間なく決断を求められ生きています。仕事やプライベートでマルチタスクを求められることもしばしばで、マルチにこなせる人ほど「スゴイ!!」と羨望の眼差しを集める今の時代。しかし、人間の脳のリソース(認知資源)には限りがあります。マルチにできない自分にガッカリして目の前の課題を先延ばしにするより、「まずは目の前のものを少しでも」の精神で取り掛かる方がいいですし、疲れた時にはしっかり休息を取ることも大切です。認知資源の回復には、睡眠やリラックスが不可欠です。

私も時々、“先延ばし”をしている自分に気付き、気持ちが焦ることがあります。振り返ってみると「毛色の違う業務を複数抱えている」「仕事だけでなくプライベートの課題も山積み」と、いろいろなことに認知リソースが取られている状況の時ほど、先延ばし傾向が強まるようです。ある研究では「人が同時に処理処理できるタスクは2つが限界」と報告されているそうですし、そもそも人間はマルチタスク向きではないのかもしれません。
先延ばししている自分に気付いたら、まずはそんな自分に優しい眼差しを向ける。何か一つでも手を付けることが出来たら、「ひとまずよくやった!」と褒めてみる。こんなサイクルが好循環を生むのではないでしょうか。
