MMS > 心身一如 > TOPICSから > 香りを味わう

TOPICS

香りを味わう

ありがとう

お線香の香りで幼い頃に祖父母の家で遊んだ記憶が蘇ったり、すれ違った人の香水の香りにかつての知人を思い出したり。ふと匂いを感じた瞬間、意図せず過去の記憶が蘇った経験はありませんか?

匂いと記憶の繋がりには、脳の仕組みが影響しています。脳には感情や本能を司る原始的な脳の『大脳辺縁系』と、理性的な思考を司る新しい脳の『大脳新皮質』があります。

五感のうち、視覚や聴覚、触覚、味覚の4つの感覚からの刺激は、最初に理性的な脳(=大脳新皮質)に送られ、その後に本能的な脳(=大脳辺縁系)に送られます。一方、嗅覚からの刺激はダイレクトに大脳辺縁系に伝達されます。

つまり、思考や理性というフィルターを通さず直接人間の記憶や情動の脳に伝わる唯一の感覚、それが匂いなのです。


香りでリラックス

お日さまの匂い、淹れたてのコーヒーの香り、お気に入りのシャンプーの匂い… 心地よいと感じる香りは人それぞれですし、体調や気分によっても好みが変わります。フッと嗅いだ時に快いと感じられる香りは、今のあなたの心身にあっているものでしょう。そんな匂いを見つけたら、マインドフルに味わってみるのがお勧めです。

  1. 香りが感じられるようにセッティングする。

    自然の中や空間の香りならそのままでOK。コーヒーなど飲み物は鼻先にカップを置く。

  2. 軽く目を閉じ、鼻からゆっくりと空気を吸い込む。

  3. 鼻から入ってくる香りに意識を向ける。

  4. ゆったりとした呼吸を続ける。

    心地よい香りが鼻から喉元を抜け、肺そして全身を駆け巡るイメージを持ちながら呼吸をする。

  5. 心地よい香りでアンカリングをする。 ※説明は下記

    「肩の力が抜けた」「胸が温かくなった」「体がジーンとする」といった心身の変化(「カラフルな花が降ってくる感じ」といったイメージでもOK)が生じてきたら、その感覚を香りとともにしっかり味わい、心身に記憶させる。

参考:深呼吸でリフレッシュ


心地よい香りでアンカリング

ありがとう

心地よい香りで心身ともにリラックスできたら、その香りをアンカーにしましょう。アンカーとは錨(いかり)のこと。アンカーは気持ちが波立った時、船(自分)を繋ぎとめ落ち着けてくれます。

アンカーにしたい心地よい香りが見つかったら、「香りでリラックス」呼吸を行いましょう。上記5. で香りと感覚を全身に沁みこませたら、その香りがあなたのリラックスアンカーです。

リラックスアンカーは、手軽に持ち出せるものがお勧め。コーヒーの香りやお気に入りの香水や柔軟剤、アロマオイルならハンカチに染みこませて…いつでもどこでも使えます。

通勤中や業務中に気持ちがザワついたり、ふとした時に心身を緩めたいと感じたら、アンカーの香りに意識を向けゆったりとした呼吸を続けましょう。上記5. で感じた感覚が蘇ってきます。


カウンセラー

アンカリングは「条件付け」のようなもので、アンカーをきっかけに特定の状態に入れるようになります。スポーツ選手のルーティン動作もアンカーの一例です。

私のリラックスアンカーの香りは、淹れたてのコーヒーと、ラベンダーやオレンジなどがブレンドされたアロマオイル。毎朝飲むコーヒーは、淹れている最中からその匂いを肺いっぱいに取り込むようにしています。湯気の温かさも相まって心身が緩み、体がジーンとしてきます。


※ 香りの好みは人ぞれぞれですし、強弱の感じ方にも個人差があります。中には化学物質過敏症の方もいますので、オフィシャルな場で香りを味わう際は周囲への配慮をお願いいたします。



→ もっとTOPICSをみる

ページのトップへ戻る