深呼吸でリフレッシュ
私たちは呼吸をして生きています。
心臓が絶えず動いているのと同じように、普段は意識することなく「自然と、勝手に」やっている感じです。これは私たちの体の中の『自律神経』の働きによるものです。
自律神経は、ご存知の方も多いと思いますが交感神経と副交感神経という二つの神経から成り立っています。交感神経=アクティブ、副交感神経=リラックス、とイメージするとわかりやすいでしょう。
自律神経はその名の通り“自律”していて、私たちが意識してコントロールすることはできません。しかし唯一の例外が「呼吸」です。
つまり、呼吸を意識することで自律神経に働きかけ、心身の健康を促進することが可能になるのです。
浅い呼吸と深い呼吸
慌ただしい日々の中では、無意識に浅く短い呼吸(胸式呼吸)になりがちです。しかし浅い呼吸では交感神経が優位に働きやすく、心身がつねにアクティブモードになってしまいます。そして交感神経が優位に働き過ぎると、自律神経のバランスが崩れ免疫力の低下などを起こしやすくなるのです。
一方、深い呼吸(腹式呼吸)は副交感神経を優位に働かせ、心身をリラックスさせます。呼吸に意識を向け、回数や速さをコントロールするだけで、働き過ぎの交感神経を緩め自律神経のバランスを整えることができるのです。
気持ちの良い呼吸って?
意識的に行いたいのは、深い呼吸(腹式呼吸)です。腹式呼吸は、コツさえ掴めばいつでもどこでも行うことが可能です。布団の中、通勤電車の中、仕事中、入浴中、外出先でも大丈夫。ジムに通うとなると時間や場所、金銭的な問題が出てきますが、呼吸であれば何のコストもかからずに、今この瞬間から取り組めます。
呼吸法
数は心の中でカウントします。
吸う×3 ⇒ 止める×1 ⇒ 吐く×6 で 10カウント
になるように呼吸を続けましょう。吐く方が長いのがポイントです。また、目を軽く閉じるとより効果的です。
基本姿勢
- 椅子に座るなら、足は軽く開いて足裏全体が地面につくように。背筋を軽く伸ばして、背中は背もたれから離してください。
- 横になる場合は、足は伸ばしても膝を曲げてもどちらでもOK。背中やお尻で床やマットの感触を感じてください。
呼吸の仕方
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吸う×3
ゆっくりと3つ数えながら鼻から空気を吸い込みます。このとき、胸ではなくお腹が膨らむように意識しましょう。手のひらを腹部にあて、お腹の膨らみを感じるように呼吸するとわかりやすいでしょう。
- 止める×1
軽く息を止めます。
- 吐く×6
次はゆっくりと6つ数えながら口から息を吐きます。口は大きく開けても、小さいままでもどちらでも構いません。お腹にあてた手で、お腹が凹むのを感じましょう。
どれくらいやれば効果があるの?
深い呼吸が正しくできるようになると、ほんの数回で心身がリフレッシュされます。 まだ慣れていない、という方は最初は1~2分からでも構いません。またカウント(吸う×3、止める×1、吐く×6)にこだわり過ぎず、ご自身がやりやすい長さで大丈夫。あまり難しく考えず、お腹が膨らむようにゆっくり深く息を吸って、長く吐くことを意識してください。
私はよく、通勤電車の中で深呼吸をします(コロナ禍で最近はそうでもありませんが、結構混雑する路線なのです)。目を閉じてつり革に捕まり、足は軽く開いて深呼吸すると、通勤ラッシュのイライラも落ち着いていきます。
私が呼吸時に意識していることは、次の2つです。
- 目は軽く閉じ、足が地面にしっかりついていることを感じ取る。
- イメージの力を最大限に活用する。… 息を吸う際は、鼻からキレイな空気が入ってきて脳から肺、手足の指先までキレイな空気が一気に流れ込み、体内の穢れを一掃するイメージを浮かべる。吐く時はその逆で、心身の穢れが呼吸とともに口から排出されるイメージを浮かべる
そうすることで、ほんの一呼吸でも体がじんわりする感覚を味わうことができます。