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偶然と出会う

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近年注目を集めているキャリア理論に、“プランド・ハップンスタンス(計画された偶発性)” があります。「個人のキャリアは、予期しない偶然の出来事によってその8割が形成される」というもので、米国のクランボルツ博士により提唱されました。

クランボルツ博士がビジネスで成功を収めた人を対象に調査を行ったところ、実にその8割が「成功の要因は予期せぬ偶然によるものだった」と回答したとのこと。さらに彼らが18歳のときに思い描いていた職業に実際に就いていた割合は、全体の2%に過ぎなかったそうです。


キャリアアップにつながる5つのキーワード

クランボルツ博士は「偶発的な出来事を意図的に生み出すように積極的に行動することによって、キャリアを創造する機会を生み出すことができる」として、次の5つのキーワードを挙げています。

  1. 好奇心 新しい学習の機会を模索する
  2. 持続性 すぐに結果を求めず、努力を続ける
  3. 柔軟性 自分の考えややり方にこだわり過ぎない
  4. 楽観性 「何とかなる」とポジティブに考える
  5. 冒険心 結果がわからなくても、行動することを恐れない

偶然がやって来るのを手をこまねいて待っているのではなく、偶然を意図的(=計画的)に起こせるように、自分の置かれた状況に対してオープンマインドで積極的に過ごす、という感じでしょうか。


これはキャリアの話にとどまらず…

私たちの人生そのものいついても言えることではないでしょうか。 私たちは自ら望んで生を受けたわけではなく、偶然にも巡り合った両親から命を授かりました。そして、そこから絶え間ない選択を積み重ね、今に至ります。そこには自分の努力や計画なくしては辿り着けなかったものも数多くありますが、それと同じだけ(もしくはそれ以上)の予期していなかった偶然の結果もあるでしょう。

「ふとした偶然をきっかけに、人生が変わるような幸運を手に入れたり、予想外の発見をすること」セレンディピティといいます。3M社がポストイットを発明した例が有名ですが、身近なところでは「偶然参加した飲み会で出会い親友になった」とか、「失敗したおかげで大切なことに気が付いた」といった感じです。セレンディピティもプランド・ハップンスタンスも、オープンマインドでいるからこそ通常なら見落としたり出逢わずに通り過ぎてしまう“何か”を手に入れることができるのです。

 

ふとした偶然と出会うには…

先入観を捨てて、人の話を聞いてみる。

「自分とは合わない」と感じる人の話でも、真っ新な気持ちで聞いてみると思いもよらない気付きや発見があるかもしれません。

「当たり前」を疑い、多角的に捉えてみる。

人はイレギュラーな事態に遭遇すると、心理的視野が狭窄しがち。そんな時こそ一息ついて、他の視点から捉え直してみましょう。(参考:リフレーミング

時には“いつもと違う”選択をしてみる。

例えば、「いつも違う道を歩く」「初めてのお店に入ってみる」「行きつけの店で食べたことのない料理を注文する」「いつもは尻込みしがちな集まりに参加する」など、思いがけない出逢いがあるかもしれません。


カウンセラー

“思いがけない幸運を得る”ということわざに「棚からぼた餅」があります。

カウンセリングでも時々「棚ぼた的なこと、ないかな」とおっしゃる人がいます。その後何かしらの変化がある人は、“ひとまず棚の下まで移動する”というように自ら行動しています。一方で変化が生じにくい人は、今いる場所から動かない(=何も行動しない)ので、何かの拍子に餅が落ちても口に入りません。ちょっとしたことでもよいので自ら行動することが、幸運な偶然と出会う機会を生むのでしょうね。



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