前向きに生きる
いつも明るくポジティブで、笑顔を絶やさず誰とでも仲良し。「そんな人になりたい」と思ったり、その方が何となく“良い”ように感じたりしませんか?
一方で自分を振り返ると、うまくいかなかったことを思い出して「あんなこと言うんじゃなかった…」とか「もっとこうしていれば…」と一人反省会が習慣に…そういう人も少なくないでしょう。
取り返しのつかない過去を考えてばかりでは、心身共に疲弊します。しかし、過去を振り返らず未来だけを考えることが「前向き」なのでしょうか?
「前向き」ってどういうこと?
「前向き」を広辞苑で引くと、
1. 正面を向いていること
2. 物事に対する姿勢や態度が積極的・発展的であること
とあります。なるほど、前向きに生きるということは、
「自分の人生に対して、自身がより成長していけるように主体性をもって日々暮らしていくこと」
と言えそうです。
「前向き」と聞くと、何でもかんでもポジティブシンキングでプラスに考えないといけないかのような圧力を感じますが、そうではありません。自分という名の船の舵を自らの手で握り、自分だけの羅針盤をもって人生という大海原を航海していく。これが「前向きに生きる」ことでしょう。
後ろを向いちゃ、いけないの?
成長するには、経験から学び、それを次につなげることも必要です。そう考えると、後ろを向く=過去を振り返ることも、前向きに生きるためには不可欠でしょう。
問題になるのは、後ろを向いてばかりで、そこに停滞し続ける場合。
「覆水盆に返らず」という諺があるように、一度起きたことは元には戻せません。ならば、取り返しのつかない出来事とそれに大きな衝撃を受けている自分自身をまずは認めることが「前向きに生きる」ための第一歩でしょう。
この第一歩が踏み出せたら、次はその出来事を様々な方面から捉え直し、「その出来事から何を学ぶことができるのか?」を検討するステップです。
この時、出来事を見る視点が自分の“内側”にしかないと、捉え直しがうまく進みません。
「尊敬している○○さんだったら、こんな時どう考えるかな」
「親友が同じ状況にいたら、なんて声をかけてあげるかな?」
とちょっと視点をずらしたり、
「3年後に振り返ったらどう思うかな」
と時間的距離を取ったりすることで、多様な見方が可能になります。様々な視点の中から、前に進んでいく助けになりそうな視点を選び取る。これが「過去を振り返る=体験から学び、次につなげる」コツでしょう。
前向き習慣を身につけよう
3行日記を書く
夜寝る前に、次の3点を簡単でよいので具体的行動レベルで書く。
- その日あった嫌な出来事
- よかった出来事
- 明日の目標
自身の内側をいったん書き出す=外に出すことにより、距離を取って体験を振り返ることが可能になります。また「明日の目標」が具体的行動レベルでイメージされることにより、実際のアクションに繋がりやすくなります。
気分と行動を分けて考え、“行動”に重きを置く
「外相整えば内相自ずから熟す」という言葉をご存知ですか?原典は徒然草だと言われていますが、日本で生まれた心理療法の一つである森田療法でよく使われる言葉です。私たちはとかく気分を重視しがちですが、気分は意思でどうこうできるものではありません。
思い通りにはいかない心(内相)はそのまま受け入れ一旦棚に上げ、まずは生活面での行動(外相)を整えていけば、心も後から自然に整ってくるものです。
カウンセリングでは、クライアントさんに“どうなりたいか?”を具体的に話してもらいます。その際よくお伝えするのが「○○しない、という否定形のイメージではなく、~する、という肯定形のイメージを持つ」こと。これだけで自分がとるべき行動が具体的にイメージでき、実際の変化に繋がりやすくなります。そして「できた!」という体験が自信に繋がり、前向きの好循環が生まれるのです。