在宅勤務でも健康を保つために
新型コロナウイルスの感染拡大により、私達の誰もがこれまでに経験したことのない状況で毎日を過ごしています。 目に見えないウイルスへの恐怖から、些細な体調不良にも不安を感じる日々。 在宅勤務や時差出勤といったこれまでとは違った働き方や、休校となったお子様への対応。 そして、緊急事態宣言の発令による外出自粛。これまでの「当たり前」が当たり前ではなくなったことに、みなさんの生活も様々に影響を受けていることとお察しいたします。
今回は、先の見通しが不明瞭な今だからこそ心掛けたいことをお伝えします。
これまで通りの生活リズムを維持しましょう
「今日は在宅勤務だし、外出する予定もないし…」となると、ついつい起床時間が遅くなったり、身なりに気を配らなかったりしがち。でも、こういうときだからこそ“いつも通り”の規則正しい生活や、最低限の身だしなみを心掛けましょう。
余った時間の使い方
「在宅勤務で通勤時間がゼロ」という方もいらっしゃるでしょう。 その分時間が増えたように思いますが、実は通勤時間が仕事のon・offの切替スイッチになっている場合もあります。 在宅勤務時は、業務開始前や終了時に軽いストレッチで身体に刺激を与えたり、瞑想やマインドフルネス呼吸で心身をリフレッシュする等で、on・offスイッチを切り替えましょう。
また、余った時間で料理をしたり、ゆっくり入浴したりと自分自身のメンテナンスに当てることもお勧めです。
時間で区切りましょう
人間の集中力は45分~1時間、最長でも90分程度と言われています。 休憩無しで仕事を続けても、実は生産性は下がる一方なのです。 ですから、在宅勤務では業務開始時間・終了時間を決めておくのはもとより、業務中の休憩時間もあらかじめ決めておきましょう。
お勧めは、1時間サイクルで区切ること。50分くらい集中したら、そこで5~10分ほど小休止です。 ただでさえ運動不足になりがちな在宅勤務ですから、小休止の都度お手洗いに行ったり、軽くストレッチをすればなおgood。
自宅で一人で仕事をしていると、休憩のタイミングが掴みにくいかもしれません。そういう場合はアラームを活用するとよいでしょう。
人と繋がりましょう
現在の状況に対してストレスや不安、憤りを感じるのは当然のこと。
そんな気持ちを信頼できる人に話すことは大切ですし、あなたが身近な人から話をされたときには、相手の話を遮らずに、最後まで聞いてあげてください。
そして、何も結論が出なくてもいいのです。「どうにもならないねぇ」ということを、一緒に感じるだけで十分ではないでしょうか。 人と接する機会が少なくなっている場合は、電話やメール、SNS等で他の人とやり取りする機会を持ちましょう。
仕事仲間とは、グループウェアやコミュニケーションツールを活用して自分の状況を発信したり、みんなの動向を把握したりすることもお勧めです。 「離れていても、仲間と繋がっている」ことを感じるだけで、心はバランスを取り戻します。
自分の気持ちに気付きましょう
人はストレスフルな状況に晒され続けると、自分の気持ちや感じていることをうまくキャッチできなくなることがあります。 私はカウンセリング場面で、来談された方に「今、どんな気持ちですか?」そして「その気持ちを体のどこで感じていますか?」とよくお尋ねします。 例えば、怒りの気持ちを「肩と手に力が入る感じ」とおっしゃる方もいますし、「頭にカーッと血がのぼる感じ」とおっしゃる方もいます。
自分の気持ちをキャッチし、それと繋がっている身体感覚にもゆっくりと意識を向けると、あなたの中の感情は“認めてもらった”ことで安心し、増幅したり暴れまわったりしなくなります。
感情のコントロールは容易ではありませんが、深呼吸やストレッチなどにより活発化した交感神経を鎮めることは可能です。
さっきの“怒り”の例では、それぞれ気付いた身体感覚を味わってもらった上で、ゆっくりと肩を回して力を抜いたり、深呼吸を数回繰り返してもらったりしました。
自分の気持ちがよくわからなくなったときは、少し時間を取って自分の身体感覚に意識を向けてみてください。
その体の感じは、あなたに何を伝えようとしていますか?
1日1回、ほんの数分でも良いので、“今の自分は何を感じているのか”に意識を向けていただければと思います。 気持ちを自分で取り扱うことが難しいように感じる場合は、専門家に相談することも一案です。